ジブリの映画「君たちはどう生きるか」を見てきた。明確な回答はなく、メッセージ性が強い作品だと思った。
ジブリの新作映画「君たちはどう生きるか」を見てきた。
同名の著書 (漫画版)は読んだことがあり、このタイトルをネットで見かけるようになってから気になっていたのだ。
ちょうど見れそうな機会があったので、映画館に行ってみたのだが・・・
劇場で「君たちはどう生きるか」を見ながら、非常に困惑してしまった。
原作を全く思い出せない展開に大混乱していたのだ。
あれ?こういう話だったっけ?
いや、主人公も出てこないし、全然違うよな。
と、ファンタジーな展開に驚いていた。
なんというか、原作のオマージュといった感じで、宮崎駿が原作を読んで着想を得た、くらいのものだったのだろうか。
抽象度が高く、メッセージ性が強かった感じがする。
そういう点で、すごく考えさせられる作品だった。
本作を見て、むしろ原作を全く思い出せなくなるなんて思ってもみなかった。
これなら原作に引っ張られないよう、トトロでも見に行くくらいのつもりで行った方がよかったのかもしれない。
さて、そんな感じで作品から色々なメッセージが伝わってきた中で、私の中でやっぱりそうだなと思ったのは、
「その時々で、自分が正しいと思ったことを、目一杯やる」
「瞬間的に決断する」
「行動を起こす」
「好奇心に従う」
「違和感を大事にする」
などといったことだった。
主人公の前にはいくつかの選択肢が何度も現れ、彼はそれをその都度、自分の価値観に照らし合わせ、臆することなく、自分が正しいと思うことを決断していく。
明確な回答はないし、正解はわからない。
それでも主人公は決めたことをやる。身の危険があることがわかっても厭わない。
時には敵とか味方とか関係なく、優しい決断を下す。
決して潔癖ではない世の中で、泥に塗れながらも、信念を曲げずに生き抜こうとする主人公の姿は、子どもから大人に成長していく過程を象徴していた感じがした。
主題で問いかけられている「君たちはどう生きるか」に対する私の答えは、こういったことだったのかもしれない。
これは見る人によってだいぶ意見が変わりそうな作品だと思った。
もっと明快に答えを示してほしいと思う人もいるだろうし、そういう人にはわけがわからない、つまらない作品に映るかもしれない。
そういった点では、見ごたえのある映画だった。
万人にはおすすめしないが、生き様に迷いがある人は見てみるといいかもしれない。
いい機会だし、また原作を読み返してみるかな。