「フォッサマグナミュージアム」翡翠が作られるメカニズムを通じて地質学を学ぶ
新潟県は糸魚川市にある「フォッサマグナミュージアム」に行ってきた。
白馬の方に滞在した最終日に、国道148号線を抜けて新潟までやってきたのだった。
フォッサマグナミュージアム
フォッサマグナミュージアムに隣接した駐車場に車を止めて、いざ館内へ。
駐車場からは、建物をグルっと回って、階段を登ったところで入口が見えてきた。
受付で入場料を支払って、トイレを済ませたら館内を見て回る。
なお、フォッサマグナミュージアムと長者ケ原考古館との共通入館券というのもあって、考古館も見て回るならそちらを購入するのがお得だった。考古館はフォッサマグナミュージアムから歩いて5分くらいのところにある博物館らしい。
- フォッサマグナミュージアム
- 一般: 700円
- 小中高: 300円
- 未就学児: 無料
- 長者ケ原考古館との共通券
- 一般: 800円
- 小中高: 400円
- 未就学児: 無料
入場すると、最初に見かけたのが石だった。名前を糸魚川石というらしい。
どうやらここフォッサマグナミュージアムの学芸員らによって発見された新鉱物だそうで、世界ではじめて糸魚川で見つかった鉱物だったため、糸魚川石と命名されたらしい。
フォッサマグナミュージアムはそういう活動もしているのか、と驚く。館内には計測器のような機材が置かれた部屋があったし、石を持っていけば鑑定もしてくれるらしく、なかなか興味深い活動をしているようだ。
館内展示は主に鉱石を中心とした展示となっていたが、ただ石が置かれているだけじゃなくて、そこにストーリーがあって面白かった。
まずは翡翠の展示にはじまり、翡翠がどうやってできるのか、どうしてそれが糸魚川で見つかるのか、といった話にはじまる。
翡翠は古来から宝石として重宝されていて、勾玉などの材料になり、全国の有力者が好んで収集していたりするもの。
それは地中の奥深くで作られた翡翠が、プレート運動によって地上に押し出されるらしい。つまり、翡翠という石の話から、地球のプレート運動に話は移っていく。
フォッサマグナとは、ナウマン博士 (ナウマンゾウの由来になった人、ドイツの地質学者)が名付けた、このあたりの地質学的な溝のことらしい。
大昔、日本列島が形成される過程で、こちらの糸魚川から静岡にかけての範囲は海の中だったようで、海底火山の活動により堆積物が溜まっていき、今の日本列島のような陸地になったとのこと。
私たちが住んでいる標高800mほどの佐久盆地なんかもフォッサマグナの範囲らしいから、このあたりが海だったのかと思うと不思議な気分になる。
詳しくはフォッサマグナミュージアムのHPに書かれているから、そちらも参考にしてほしい。
とまあ、翡翠という石の紹介にはじまり、地球の地殻運動を経て現在の日本列島ができたのだという壮大なストーリーを頭の中に入れてから、そこかしこに展示されている石や化石を見てみると、それらはまた違ったもののように見えてくる。
この鉱物は地中深く、高圧で高温の中で作られたのだろうか、とか。
この化石は、海底火山が噴火したときに吹き出した何かに埋もれてしまったんだろうか、とか。
そんな形成過程まで考えてみると、数億年規模の時の流れや、自然の力強さなどを感じる。
地質学者とか、鉱物学者とか、あるいは考古学者などといった人にとっては、この糸魚川市というのは魅力の多い場所なのかもしれない、なんてことを思いながら館内を巡ったのであった。
おまけ: 化石の谷
駐車場の近くには、「化石の谷」という場所もあった。
なんと、自分で化石を発掘できる場所らしい!
フォッサマグナミュージアムで受付して入場料を払えば、1時間半の間、発掘し放題だとか。必要な道具も貸出してくれる。
そんな手軽に化石なんて見つかるの?と思ってしまうが、意外と見つかるものなのだろうか。
この辺なら掘ったら出てくるものなのか、あるいは、フォッサマグナミュージアムが化石のありそうな石を仕込んでいるとかなんだろうか。
気にはなったんだけど、もうお昼時で腹ペコだったし、気温もかなり暑くなってきていたから化石発掘は諦めた。
おわりに
フォッサマグナミュージアムは、名前だけは前々から知っていたんだけど、なかなか訪れることができてなかった場所だった。
白馬の方からフラッと行けそうだったから行ってみたんだけど、そのあたりからなら意外と近かった。
翡翠という石が、なぜそれほど重要なものなのか、が少しわかった感じがする。
子連れでもそれなりに楽しめるし、大人にも学べることがたくさんある博物館だったと思う。
面白い場所だった。