放送大学「心理臨床における法・倫理・制度 – 関係行政論 (’21)」を履修してどうだったか

2024-01-07

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放送大学2023年度1学期に「心理臨床における法・倫理・制度 (’21)」を履修した。

この科目を履修してみてどうだったかを振り返ってみる。

放送大学 心理臨床における法・倫理・制度 - 関係行政論 ('21)

本科目は公認心理師のカリキュラムに含まれているもので、「関係行政論」という範囲に対応しているそうだ。

これまでカウンセリングやコーチングといった心理支援サービスを提供してきたけれど、それが日本国憲法で言うとどういう位置づけになるのか?といったことは考えたことすらなかった。

ただ、憲法には「基本的人権の尊重」とか、「幸福追求権」などがうたわれていて、そういった権利に基づいてサービスが提供されているのだ、と言われてみればそういう関係にあるのね、と思えた。

憲法という、国の一番上位レイヤにある法律で書かれていることが、下位レイヤの法律で具体的にされているという関係であり、教育、医療、司法、産業、といった分野でそれぞれ制定されている。

例えば、私たちは会社員になれば、なんとなく残業をしているものだ。ただ、労働基準法では残業してもいいとは書かれていない。第36条に、ある条件を満たせば残業してもいい、と明記されているから残業することができている。

そんなふうに、普段の仕事の中で、なんとなくやっている残業というのが、どういう法律に基づいて許可されているのか?などと考えたこともないだろう。私も会社員時代はそんなこと知らなかった (なんとなくサブロク協定とか労働組合とかのことは知っていたけれど)。

我が家の子どもたちは小学校や幼稚園に通っていて、それらも法に基づいて運営されているわけで。

本科目を学習することで、自分がどういう法令のもとで働いているのか、暮らしているのか、といったことを考えるきっかけになったと思う。

あとは、倫理と法の関係についてもわかってきた気がする。法律が作られる過程も扱っていたから、最近できた法律をちょっと意識するようになった。あるいは、意外と自分が子どものころにはなかった法律があることを知って (発達障害児に関連するものや、いじめ対策に関連するもの、など)、自分が小学生のときってどうだったかな?などと当時のことを思い返したりもした。

そんな感じで、これまで自分の活動と法や倫理とを関係を結びつけて考えたことなんてなかったんだけど、本科目を学習していく中で、「こういうのって何かの法律で明記されているのかな?」など考えるという、新しい視点を得た感じがする。

そういう点ではなかなか興味深い科目だった。

公認心理師として活動するなら、こういうこと知ってないと困るよ、というメッセージは十分に感じることができたと思う。

具体的で細かい対応については、都度、法や倫理、制度を確認しながら進めていく必要があり、そういうときの索引として使えるテキストになりそうだ。

放送大学心理学

Posted by junchan