息子の、息子による、息子のためのお年玉の使い方
この正月に、息子はいくらかの現金を手に入れた。つまり、お年玉をもらったのだ。
実家に帰省したわけでもないのだが、日頃懇意にしてくれている人たちからお気持ちとしていただいた。
すごくありがたいことだ。
息子には、「そのお年玉を元手にして、自分の欲しいものを買いなさい」と渡しておいた。
かくして息子が大喜びで買ったのが、このラジコンだ。他には絵本やらも買っていて、おそらくまだ1,000円くらい残金があると思われる。
このラジコンはなんと2,000円もしなかった。私が子どものころだったら考えられなかったことだ。まともに走るラジコンなんて1万円どころじゃなかったと思う (ど田舎に住む私には、全くツテも知識もなかったから、実際のところはわからないが)。今や、下手をすれば空飛ぶおもちゃすら買えそうだから、末恐ろしい時代になったものだ。
早速こうして箱から出して、走らせようとしたところ、電池がないことに気づく。
単三電池が本体6本、リモコン2本の、計8本必要だった。
うちにはそんなに電池の蓄えがなかったので、娘が起きたら (このときは娘は絶賛お昼寝中だった)買いに行くことにした。
息子は「留守番してるからお父さん一人で買ってきて」とかまで言っていた。普段、「留守番する」というのは脅し文句でしかなく、泣き出すほどのことなのだが。
流石に5歳の息子と2歳の娘をほったらかして、30分くらいとはいえ家を空けるのもどうかと思ったので (奥さんは町の会合で出かけていた)、娘が起きてくるまで待った。
そうして娘が起きてきて、電池を買い出しに行き、帰ってきたら早速ラジコンに電池を入れてやる。電池ボックスはネジで固められていて、電池交換は大人がやってあげる必要がある。
居間ではなく、隣の広い部屋で動かしてこい、と言って送り出すと・・・
すぐさま子どもたちはキャーキャー騒ぎ出す。ついでに襖も倒れている。
さすがに襖が倒れているのは怒った。
どうやらラジコンカーが動くのに大興奮した息子や娘が、ぴょんぴょん飛び跳ねているうちに襖にぶつかったようだ。
このあと2回倒しおった。その都度怒った。
それはそれとして、2,000円としないラジコンカーなのだが、これがまたどうしてよく動く。
正直、室内で動かすにはスピードが早すぎて、即座に壁や、その辺の障害物にぶつかる。制御が難しそうだ。
そうしてその日は、何時間も走らせていて、「おとうさん、動かなくなったんだ」とかいって私のところに持ってきたほどだった。
なんだか焦げ臭い匂いがしていたので、おそらくモーターが焼けつけて動かなくなるまで動かしていたのだろう。
それでも動いていることは確認できたので、長時間遊びすぎたから壊れる寸前になっていることと、休ませておけばまた動くようになることを伝えたら、すぐに仕舞っていた。
そして、翌日は全然別の遊びをしていた。ラジコンカーなんて出すことはなかった。
同じ日に「モノポリー ジュニア」をあげたら (息子への誕生日プレゼント。年末はゴタゴタしてて買いに行けなかったのでこの時期になってしまった)、それが楽しくなってしまったようで、ひたすらモノポリーをせがんできたのだ。
これが息子の、息子による、息子のためのお年玉の使い方だった。
ずいぶん、楽しんでくれたようでよかった。
しばらくしたら、またラジコンカーでも遊んでくれるのだろう。