上諏訪駅「蓮や」でラム酒を美味しくいただく。ラム酒のこだわりがすごいバー
諏訪に出張したときに、上諏訪駅前でバーらしきお店があったのでフラッと入ってみた。
「蓮や」さんというお店だそうで、外観に違わずバーだった。
カウンター席に座って、眼の前にズラッと並ぶボトルに目移りする。
ズラッと並んでいるんだけど、どれも見覚えがなくて、何を扱っているのかわからなかった。ウィスキーやブランデーなら見覚えのあるものの1つや2つ絶対にあると思うんだけどなぁ。
不思議に思って聞いてみると、なんと、これらのボトルは全部ラム酒とのことだ。道理でわからないわけだ。バカルディとかメジャーなもので見覚えがあるものもあるとは思ってたけど、それらもひっくるめてラム酒まみれだった。
大体、バーの棚にはウィスキーやブランデーが並んでいると思うのだが、蓮やさんはラム酒の専門店らしい。ビールなどもあるんだけど、ここまでラム酒が立ち並ぶんだったら、ラム酒を飲んでみたくなるというもの。
ラム酒は私にとってほとんど未知の世界だから、すごく楽しみだ。バカルディなど定番で容易に入手可能なものはここで飲む必要がないだろう。あえて未知のラム酒に漕ぎ出したい。
ボトルを見ても全くわからないから、マスターに私の好みを伝えて良さげなものを教えてもらう。最近の好みはバーボンでガツンとしたやつだと伝えると、ABUELO (アブエロ)をオススメしてくれた。
パナマ共和曲のラム酒だそうで、パナマ産のサトウキビにこだわり、シェリー酒 (酒精強化ワイン)の醸造に使われている「ソレラシステム」により製造されているらしい。
多くのラム酒は樽熟成させないホワイトラムなんだけど、ABUELOはしっかり樽熟成させているわけで、色味はウィスキーなどに近い。
飲んでみると、しっかり熟成した濃厚な香りは、確かにバーボンのよう。それでいて、原料がサトウキビだからか程よい甘さを感じる。これはうまい。ラム酒にはこういうものもあるのかと、新しい扉を開いてしまった気分。
ABUELOを楽しんでいる間にお通しが出てきた。
この日は夕飯を食べたあとだったから、おつまみはこれだけでいいだろう。メニューを見ているとうまそうなものがいくつかあったけど、ラム酒をしっかり楽しんでいくことにする。
ABUELOを飲み尽くしたところで、再びマスターに面白いラム酒を聞いてみる。
話を聞いていると、ラムの産地はなんとなく南米の暑いところというイメージなんだけど、イギリスやフランス、スペインも盛んだそうだ。大航海時代にカリブ海あたりを植民地にしてた国々だと思えば、なるほどなーと思う。日本でも生産されているとか。
そんなウンチクを聞いていると、ヨーロッパのラム酒も気になってきた。
そこでオススメされたのがNEGRITA (ネグリタ)。フランスはボルドーのラム酒だそうだ。日本にはじめて紹介されたラム酒でもあるらしい。
先のABUELOとは全く違った風味で、これまた面白い味わい。
これは面白いと喜んでいると、マスターがNEGRITAのストレートと、別バージョンのNEGRITAのストレートをごちそうしてくれた。
別バージョンというのは、DOUBLE AROME (ダブルアローム)という、アルコール度数が54%と高めに設定されているもの (注文したものは44%)。DOUBLE AROMEというだけあって、香りが強化されているような感じ。これもうまい。
なお、フランスはボルドー (NEGRITAの産地)の焼き菓子である「カヌレ」は、NEGRITAを使っているとのこと。むしろNEGRITAを使わないとカヌレじゃないらしい。
NEGRITAの風味はお菓子作りに適していて、カヌレの他にも色々な洋菓子に使われているとか。
ラム酒の世界も奥が深いなーと感動した。うまかった。
マスターがいい具合に銘柄をチョイスしてくれたおかげで、ラム酒の楽しさを知ってしまった。
ラム酒専門のバーというのはものすごく珍しいから、またあの辺に行ったら寄ってみたい。