長野県最大の古墳「森将軍塚古墳」を散策しながら、当時の生活や古墳をめぐる人々に思いを馳せる
長野県最大の古墳という「森将軍塚古墳」を見てきた。
科野の里歴史公園
息子に「古墳時代のサバイバル」という漫画を買い与えていたら、何度も読み返して古墳について学んでいたので、実物を見に行くのもよいかと思うようになった。
古墳ぐらいその辺にあるだろうと思って調べてみると、県下最大の「森将軍塚古墳」というのが千曲市にあるということで、案外近くじゃん?と思って行ってみることにしたのだった。
高速道路を使えば1時間ちょっとくらいのところに、「科野の里歴史公園」というのがあって、森将軍塚古墳はその中にあった。
公園内には、森将軍塚古墳の他にも、その博物館である森将軍塚古墳館や、長野県立歴史館、科野のムラといった施設があった。
芝生の公園もあって、のんびり過ごせそうな場所だ。
森将軍塚古墳館で観覧券やバスのチケットを購入
まずは古墳だろうということで、森将軍塚古墳館に向かう。
館内では、まずは熱を測ってアルコール消毒をするという、もはや定形とも言える新型コロナ対策を行う。
館内の案内員さんに従って、券売機でチケットを購入する。
森将軍塚古墳は、この森将軍塚古墳館から歩いて20分ほど登ったところにあるとのことで、そこまで歩くか、施設のバスを使って登るかを選ぶ。
ここから古墳までの道はマイカーでは入れないようになっているから、楽に古墳を見に行くならここでバスに乗るしかない。
正直、1歳7ヶ月の娘やらを連れていることを考えると、登ってられないので、素直にバスで往復することにする。
あと、森将軍塚古墳館にも入りたいから、観覧券も必要になる。
うちは私と奥さん、小学生の息子、未就学の娘2人で、観覧券+バス往復にしたので、全部買うとこうなった。
- 共通券 大人 700円 (観覧券+バス往復) x 2
- バス往復 小学生 250円
都合1,650円だ。
早速、バスに乗って古墳に向かうことにしよう。
森将軍塚古墳までの道
バスは10人乗りくらいのマイクロバスで、5分おきに出ているとかではなく、お客さんが来れば動くような運用をしていた。
私たち家族がチケットを買ったら、そのままバスを出してくれた。
結構な上り坂で、急カーブもあり、片道1車線分の幅しかないから、マイカーの進入が禁止なのはよくわかる。というか、下手な人が入ると脱輪や滑落するんじゃなかろうか?
私たちはバスで上っていたが、歩いている人たちもかなりいた。
そうしてバスで揺られること数分で、古墳が見えるところまで登ってくれた。
降りる前に帰りの時間を聞かれた。指定した時間にピックアップしにきてくれるらしい。
ただ、はじめてきた我々としては、どのくらいの時間が必要なのかよくわからない。
バスの運転手の人が30分もあればだいたい回れるというから、それに任せて30分後に迎えに来てもらうことにした。
では、早速、森将軍塚古墳とやらを拝むとしよう。
森将軍塚古墳
バスを降りると、すぐに古墳は見えてきた。
古墳は周りを石で敷き詰められているようだ。
早速、息子はその説明書きにかぶりつき、何やら確認している。
森将軍塚古墳は前方後円墳なのだが、きれいな四角と丸がひっついた形ではなく、若干、いびつな格好をしているようだ。
古墳を設置しているところが完全に平らな場所ではなく、斜面もあるから、いろいろと工夫しているうちにこういう格好になったのだろうか。
息子はテキストである「古墳時代のサバイバル」を取り出し、何やら確認している。
そうしてぶつくさ言いはじめたのだが、30分でお迎えが来てしまうので、さっさと古墳に向かうぞとハッパをかけた。
階段を上り下りしながら、古墳に向かっていく。
古墳の上には登れるようになっていて、先に来た人たちが思い思いに歩き回り、あたりを見渡していた。
古墳に登る階段付近には、実物大の埴輪が転がっていた。
息子はこれを見ながらもあーだこーだと何やら確認していた。
埴輪というと人形のものを思い浮かべるが、こういう飾り?のようなものも埴輪になるようだ。
埴輪のうんちくを確認したら、いよいよ古墳の上に登っていく!
まずは前方後円墳の前方部から。
ここにも石室があるようで、埋葬されていた人がいたようだ。
前方部だけでもそれなりに広い。
歩き回って、周辺に置かれている埴輪を見たりしながら、後円部に向かう。
後円部は前方部より一段高いところにあり、階段で登っていった。
後円部には、「森将軍」とされるお偉い人が埋葬されていたようだ。
四角いブロックの目印があって、ここに埋葬されていたのだろう。
石室の上で彼らは何を話しているのか。
後円部は一段と高いところにあるから、遠くがよく見渡せた。
ここにある案内板によると、見渡せる範囲にもまだいくつか古墳があるようだ。
結構、ぽこぽこ古墳があるもんなんだなー、と思う。
あと、遠くにアルプスが見えていて、雪化粧した尾根がきれいだった。
古墳の上からはきれいな風景を楽しむことができた。
そうして過ごしているうちに、息子はまた新しい場所に行っていた。
この森将軍塚古墳の周りには、小さな古墳?がいくつもあるという。
息子が見ていたのは、そのうちの1つだった。
大きい古墳の脇にこんもりと作られていたようだ。
真ん中あたりに石室が再現されていて、ここに埋葬されていたのだろう。
ここまで近くにあるのだから、森将軍ゆかりの人が埋葬されていたのだろうか。
ここでも息子はテキストを取り出して、何やら確認していた。
彼なりに、漫画で書いていることと、現地のフィールドワークで見たものを照合しているのだろうか。
そこまで楽しんでくれたなら、古墳に連れてきた甲斐があるというものだ。
そうしているうちに帰りのバスがお迎えに来ていて、丘を下ったのだった。
森将軍塚古墳館
また森将軍塚古墳館に戻ってきた。
トイレを済ませて、今度は館内に入ってみる。
ここには様々な土器などが展示されていた。
古墳の作り方をまとめた動画資料もあったりして、ここの古墳はそうやって作ったんだー、と感心した。
森将軍塚古墳館の目玉は、なんと言っても石室だろう。
森将軍が埋葬されていた石室を、実物大で再現している。
ちなみに、森将軍塚古墳の石室は、敷地面積でいうと日本最大とのこと。
そんな古墳が身近にあったとは。
ぐるりと回りながら、石室の様子を確認したり、周りに置かれている土器や埴輪を見たりしながら、当時の生活や古墳をめぐる人々に思いを馳せた。
なお、この石室は下からも見えるようになっていて、中の様子を覗き見ることができるようになっていた。
おわりに
たまたま息子に古本屋で見つけた「古墳時代のサバイバル」という本を買い与えたことで、実際に古墳を見に行こうということにつながった。
こうやって現地に行って、実物を見て、体験するのはとても楽しい。
息子も漫画で読んだ世界のことを、ちょっとは体感してみてくれただろうか。
意外と近場に「森将軍塚古墳」というちょうどいいものがあって、見に行ってみてよかった。