放送大学「心理学研究法」を履修してどうだったか
放送大学で2022年度2学期に履修した科目の中に「心理学研究法」があった。
単位認定試験も終わったことだし、この科目がどういう科目だったか振り返る。
まず、私がこの科目を履修したのは、認定心理士や公認心理師といった資格を取得するのに必須とされている科目だったからだ。
大学に入学したのは、心理学を体系的に学んでみたいと思ったからだが、初めて学ぶ分野だから、指針となるものがなかった。そのため、「体系的に」ということを具体的にするなら、こうした資格で取得することになっているものを選んでいくのがよいだろう、という発想である。
「心理学研究法」を学んでみると、この知見を必修にしている理由がわかった気がする。
心理学は「心」という目に見えないものを実証的に解明していくために、仮説を立て、データを集め、集めたデータを解析し、仮説が正しいことを検証していくプロセスを踏む。
この科目では、この心理学を研究していく上で基礎となるデータのとり方について学んだ。
現実のビジネスでも、ファクト (事実)をベースに考えるべし、という発想があるように、心理学もファクト (=データ)をベースに考えていくのだ。
そのデータのとり方について体系的に学べたと思う。
実験法や観察法、調査法、面接法など、言われてみればこれまでに体験したことのあるものだったりする。それを改めて分類し、それぞれの方法のポイントを解説されていたという印象だ。
その点では、新しいことを学ぶというよりは、これまで何となくやってきた、あるいは、やられてきたことを整理し、ひとつひとつ改めて確認しなおして行った感じもする。
また、自分の仮説を有意にするためにズルしちゃダメよ、とか、心理学の実験をするということは人の人生に影響を与えることだから、倫理を遵守しなきゃダメよ、といった、研究者としての心構えについても扱っていた。
心理学の科目の中でも、特定の事象を扱わない、中立的な技能について扱っているから、ある意味、心理学に対するメタな視点を学ぶことができ、心理学そのものの理解にも役立ちそうだ (この分野の研究は、あの方法で研究しているんだな、とか)。
研究方法を学ぶことで、コーチングやカウンセリングでやっていることがより整理された感じがする。
全体的に、講座自体が論理的に構成されていて、用語の定義も明確に記載されている方だと思っていて、私にとっては割とすんなり入ってくる科目だったと思う。