ConoHa WINGのDNSを編集して、独自ドメインのメールはGメールで受け取れるようにする
法人を設立してからは、Google Workspaceを使うようになった。
その理由のひとつが、Gメールを使いたいということだった。
私も奥さんもAndroidスマホを使っているし、私はChromebookも使っているので、このGoogleワールドに入ると何かと便利だったりするのだ。
DNSの設定をどうしたらよい?
ここで問題になってきたのは、DNSをどう設定すればよいか、だった。
まず、法人のドメインはGoogle domainsで取っていて、ホームページなどの置き場所としてはConoHa WINGを使っている。
HPもメールもConoHa WINGで完結していれば、ConoHa WING側が勝手に設定してくれるから、悩む問題ではなかったのだけれど・・・
HPはConoHa WINGで見たいし、メールはGメールで見たいとなると、うまいことやる必要が出てきたのだ。
状況をまとめると、
- ドメイン: Google domains
- サーバ: ConoHa WING
という状況で、
- HPはConoHa WINGを見に行く
- メールはGメールに届ける
という形したい、ということである。「という」が多くて若干、読みづらい。
方針を決める
方法としては次の2つがあると思う。
- Google domainsのDNSで、HP→ConoHa、メール→Gメールに振り分ける
- Google domainsはConoHaのネームサーバーを参照し、ConoHaのDNSの方でメールの場合はGメールに向ける
最初は1. の方がDNSを余分にかまさなくてよくね?とか思ったのだけれど・・・この形にすると、サブドメインを作ったりするたびにGoogle domainsのDNSをいじったりする必要が出てきそうで、面倒くさいと思った。
ConoHaにまかせておけば、サブドメインを作った時点で勝手にConoHaのDNSに登録してくれるから、その方がDNSのメンテナンスをしなくて済むのだ。
DNSの設定については「だいたいこんな感じ」という程度の理解でやっているから、任せられるなら任せたいもので、あんまり触りたくないものだったりする。
2. にすると、メールのときはDNSが1ホップ増えるわけだが、だいたい、DNSが1ホップ増えたところで、今どき大した問題にもならないだろう。
サブドメインを作ったときにDNSを編集しなくていい、などのメンテナンスコストを考えても、2.の方が今後楽な感じがしてきたから、そちらの方式を取ることにした。
方針が決まったことで、早速、設定していく。
Google domainsのカスタムネームサーバーを設定する
まずは、Google domainsのDNSをConoHaのネームサーバーに向ける。
Google domains にログインしたら、左のメニューから「DNS」を選んで、「カスタムネームサーバー」タブを開く。
あとは「ネームサーバー」を編集して、ConoHaで指定されているネームサーバーのアドレスを入れる。
これで、Google domainsに来たアクセスは、ConoHaに向かうことになった。
ConoHaのDNSを編集する
続いて、ConoHaのDNSを編集する。
ConoHaにログインして、左のメニューの「DNS」を選び、Gメールに振り分けたいドメインのMXレコードを編集する。
設定値については、Googleのサポートページを参考にすればいい。
「Google Workspace の MX レコードを設定する(一般的な手順)」>「4. Google メールサーバー用に新しい MX レコードを追加します。」のところに設定値は書かれている。
これで、ConoHaにアクセスしてきたもののうち、指定のドメイン宛のメールに関してはGメールの方に向かうようになった。
「ローカル配送」を「OFF」にする
基本的にはここまでで設定はOKなんだけど、ConoHa固有の問題が起きてハマったことがあった。
それは「ローカル配送」という機能があることだ。
この設定を「ON」にしていると、ConoHaの中でメールのルーティングを解消しようとしてくれる。
要は、DNSの設定を見ないで、「ああ、このドメインだからあそこね」とメールを持っていってくれてしまうのだ。
これ自体はとても有効な機能だ。無駄な通信や時間を費やさない。ConoHa WINGの中でメールをやりくりしているならまず気にしないでOKな機能だろう。
ただ、今回に限っては、この機能おかげで、「ConoHaのメールサーバを使ってメールを送る」ときに問題が起こった。
これは単純にConoHaのSMTPを使ってメールを送信するときだけじゃなくて、ConoHaに設置しているWebページのフォームからメールを送ろうとしたときなんかにも起こるのだ。
私はConoHaに会社のHPを設置しており、HPにお問い合わせフォームを作っていた。
お問い合わせフォームに入力された内容は、会社のメールに通知するように設定していたので、もろにこれにハマったのだった。
フォームの設置はサクッとできたのに、メールの通知がどうしてもできない。最初は意味がわからなくて、DNSの設定を何回も見直したし、何ならDNSのMXレコードからConoHaのメールサーバを削除したりしたのに、それでもメールが届かない。
正確に言うと、ConoHaに該当するアカウントのメールアドレスを作っておくと、ConoHaのメールボックスにメールが届くのだ。ConoHaのメールサーバはMXレコードから削除しているにも関わらず、だ。これってDNSの設定を見てなくね?と思った。
どこの設定がまずいのかわからず、ConoHaのサポートに問い合わせしたくらいだった。
最終的には、ここで話題にしている「ローカル配送」が原因だろうということがわかり、この機能を「OFF」にしたことで問題は解消されたのだった。
ConoHaのローカル配送を設定するとどうなるかは、このページに書かれている。
このことを知っていたら、変にハマることはなかったろうに・・・
今、上記の解説ページを見たら「書いてあるとおりの挙動だ!」と思うくらいだし、勉強になったと言えよう。
おわりに
Google Workspaceを使うようになり、メールはGメールに集約しようと思ったところでちょっとハマった。
最初は方針を決めるときに悩んだし、設定ができたと思ったらメールが届かない場合があって困った。
こういうサーバ固有の問題っていうのがあるから、個別対応が必要なんだよな。
最終的には解決したのでよかった。
なお、記事中には、厳密に言うとちょっとそうじゃないと思えるような記述もあるけど、厳密に言うよりわかりやすくしようと思ってそのままにしていたりするところもある。深追い禁止。