放送大学を卒業する人って、何気にすごいことをしているんじゃないかと思う
昨年の4月に放送大学に入学した。
最初はお試しのつもりで1年間続けてみたところ、これはいいやと思って続けてみることにした。
おかげでこの4月からまた新しい学期がはじまったのだった。
今学期は4科目履修していて、絶賛、学習中だ。
春休みの間にフライングで授業を見はじめていて、テキストも届き次第、読みはじめていることもあって、ずいぶんと進んでいる。
こうして学習していて思うのは、「放送大学を卒業する人って、何気にすごくね?」ということだ。
いつでも学習できる分、強力な自制心が必要になるからだ。通信制だとみんなそんなものかもしれないのだが・・・
考えてみてほしい。
2単位の科目の物量としては、
- 放送授業 45分
- テキスト 約200~250ページ
である。
これを、60科目くらいこなさないと卒業はできないのだ。
一人で、計画して、淡々と。
思い返すと、私が最初に通っていた大学には時間割があって、その時間に指定された教室にいかないと授業が受けられなかった。ほとんどのオーソドックスな大学はそうなんだと思う。
授業を受けないとついていけなくなるし、単位だって取れない。当たり前だ。
そして、教室に行けば友人、知人はいるし、先生もいる。
大学にはサークルの仲間もいるし、図書館など遊べる (?)場所もある。
研究室なんて、その気になれば寝泊まりすらできた (やらなかったけど)。
そういう環境だったから、毎日毎日大学に通っていた。それが普通だと思っていた。
それを何年か繰り返しながら単位を取って、卒業した。
放送大学では、そういうものが全くない。
今日、授業を見てもいいし、見なくてもいい。テキストを読んでもいいし、読まなくてもいい。明日もそうだ。明後日もそう。これから毎日そうだ。
ただ、5月には中間試験のようなもの (放送大学では通信指導という)がある。これに合格しないと、単位取得はできない。
そして、7月には単位認定試験がある。これは中間試験のようなものを合格していないと受けられない。
制約があるとしたら、この2つのタイミングまでに、所定の学習を終えておかないといけないことだ。
あとは、いくらでも自由に、自分の好きなタイミングで、授業を見たり、テキストを読んだりしていい。
さあ、あなたはこの環境で、自律的にスケジュールを作り、守って、学習ができるだろうか?というのが問われている。
しかも、放送大学の学生は、大抵が仕事をしていたり、家庭があったりする中で、大学の勉強をしているのだ。
資格取得のための勉強をしようと思っているんだけどやれてないとか、今期は間に合わなかったから申し込みもしなかったとかいう人がザラにいるのを思うと、自律的に学習をする時間を取るというのがいかに難しいことなのかと思う。
そうやって考えていると、冒頭に書いたとおり、「放送大学を卒業する人って、何気にすごくね?」と思うのだ。
私も結構な自制心を持って学習に挑み続けている。意志の力とかで続けるのは無理だと思っているから、習慣化の力を活用している。
それで3ヶ月やり続けて (私なんて1日30~60分も学習できれば良い方だ)、ようやく4科目=8単位くらいが取得できるのだ。
ちなみに、このペースだと卒業までに8年くらいかかる。
8年もこれを続けるのって、相当すごいことだと思う。
そんなわけで、有名大学を出ているのもすごいことなんだと思うけど、放送大学を出ているのも何気にすごいことなんだと思うのである。