「2地域居住」というライフスタイルについて思うこと。元2地域居住の実践者として。
Xのタイムラインに「2地域居住」という話題が流れてきたのを見かけた。
「2地域居住」地方の自治体で移住者呼び込む動きhttps://t.co/VZu2khpNRH #nhk_news
— NHKニュース (@nhk_news) May 27, 2024
私が住んでいる御代田町の隣にある佐久市では、2地域居住を推進していて、交通費を一部補助する制度をはじめるらしい。佐久市には北陸新幹線の佐久平駅があって、東京へのアクセスが非常に便利な地域なのだ。
政府としても2地域居住を推進するみたいだし (新しい法律もできたらしい)、この流れは進んでいくのだろうか。
個人的には、10年くらい前から、4年くらい前まで実際にその2地域居住をしていたから、なんだか今更感があるのだが・・・
ちなみに、私は2拠点生活とか多拠点生活とか言ってたし、当時はそういう呼び方が主流だった気がするんだけど、今は2地域居住というのだろうか。
なお、2地域居住をやめたのは、リモートワークが広まってきて、東京のクライアントさんの事務所に通う必要がなくなったからだ。このリモートワークのへの流れがなかったら、まだ2地域居住をしていたかもしれない。
実際に2地域居住をやっていた当時のことを思うと、割と楽しんでやっていたと思う。
長野を自宅とし、東京にも家を借りていて。月曜日の早朝に長野から東京に出て、金曜日の夕方に東京から長野に帰って来る。そんな生活をしていた。
佐久市の佐久平駅で7時半くらいの新幹線に乗れば、9時には東京にいた感じで、十分に出勤できる時間だった。新幹線で移動してたわけで、時間的にも環境的にも首都圏の遠方から通っている人より快適だったんじゃなかろうか。
何なら佐久から通勤だってできるし、実際にやったこともある。定期代は月15万円くらいしたし、佐久平駅の駐車場代は月1万円して、通勤にはそこそこの金額がかかったけど。でも、都内をメインの家として家族で暮らすよりは、コスパがよかったと思っている。今でも佐久から都内に通勤している人はいるんじゃないかな。
2地域居住のよかったところは、移動することだった。新幹線は快適に仕事ができる移動オフィスだった。
佐久と東京では、見える景色も、行きたい場所も全く違う。これがいい刺激になっていた。
佐久には秋葉原がないけれど、東京にはパラダ (佐久市のスキー場)はないのだ。時間の許す限り、それぞれの地点の美味しいところを楽しんでいたと思う。
平日は自宅に奥さんと子どもを置いて出かけているわけで、子どもは小さかったし、奥さんにはそれなりに負担にはなっていただろうけど、奥さんとしては、それはそれでそれなりにやってくれていた。
置いていかれる側の視点は推し量るしかないんだけど、お互いにそんなに悪い気分になったりはしてなかったと思う。そういうものだと思って、お互いにそれぞれの仕事をしていたから。
週末に奥さんと過ごしていると、「何でそんなに急いでいるの?」などと言われたことを覚えている。どうも東京時間と長野時間は時間の進み方が違うらしい。1週間くらい長野にいると、ようやく力が抜けてゆったりできる感じだった気がする。人は環境に適応するものだ。
今では家族も増えたし、子どもたちも当時よりは大きくなってきたとはいえ、まだ小さいものだし、今からまた2地域居住をやりたいかと言われると、なんとも言えない。どちらかというとネガティブだ。
暮らしていて幸福感が高いのは、私にとっては田舎暮らしだから。東京もダメじゃないんだけど、性に合ってないのだと思う。というか、そもそも私は東京にいる必要がなくなったら、あっさりと東京を脱して長野に移住してきた人間だ。東京には住み続けたいと思えず、当時、長野には縁もゆかりも無かったけど、思い切って移住してきて、住み着いてしまえばよいところだった。
そのうち家の中に事務所を構えて、東京のクライアントさんとリモートで一緒に仕事をするスタイルになって4~5年が経ってみたら、このスタイルに落ち着いてしまった。通勤時間0分の楽園である。近所のコンビニなんて歩いていく気分にもなれないくらい遠いけど (歩けば片道20分近くかかる?)、できればこのスタイルを続けたいと思っている。たまに東京に出張する分には刺激になっていいのだけれど。
私の考えとしては、移住も、2地域居住も、それはライフスタイルだ。経済的な事由はもろもろあるけれど、自分にとって幸福感の高い生活ができるのであれば、それは選択肢として考えていいものだろう。
もしかしたら、ライフステージに合わせて選べるようになると、更に幸福度を高めることができるのかもしれない。
Xでなんとなく流れてきた「2地域居住」の記事を読んでから、そんなふうに色々と思うことがあったのだった。