人生初の大腸カメラ。大腸内視鏡検査は私には辛いこともあったけど、色々と学ぶこともある体験になった。

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人生初の大腸カメラのため、朝9時に軽井沢西部総合病院を訪れた。大腸内視鏡検査というのが正確な検査名かな。

先日の健康診断で便潜血があり、大腸がんがある場合に便潜血が出ることがあるとのことで、検査するのをオススメされたのだ。

検査では鎮静剤を使うから、検査後に車を運転してはいけないと言われていて、奥さんに連れてきてもらった。

検査の準備は前日からはじまっていて、指定された固形物以外は摂取してはならず、当日の朝食はもちろん抜きだ。液体の制限はゆるいから、それで賄ってきた感じ。

病院で受付したら、内視鏡検査をする部屋の前にある診察室に通された。その日はその診察室は空いていたから使わせてくれたのだろう。ずっと病院にいることになるため、待合室で待たされるのだと辛いとか思ってたんだけど、これはありがたい。

空き部屋となっている診察室に通されると、まずはこれがノルマだとばかりに2Lの液体を渡された。

ニフレック配合内用剤

ニフレックという経口腸管洗浄剤だそうで、要は下剤だ。

ニフレック配合内用剤の服用のしかた

ペースとしては1時間に1Lくらいと指定があったが、看護師さんは最初の1杯は15分ほどかけて飲んだら、あとは適当に飲んでいけばいいと言ってた。

ひとまず言われた通りコップ1杯を15分かけて飲む。キッチンタイマーを渡されていたから、それで15分を測りながら。

ニフレックの味は、薄めたポカリというか、OS-1というか、なんかそんな感じ。私はそこまでダメな味ではなかった。これがクソまずかったら2Lという物量に挫折していたことだろう。

指定どおり、15分かけて最初の1杯を飲んで、2杯目をコップに注ぐ。看護師さんからは2杯目以降は適当にって感じで言われていたんだったけど、私が普段水を飲むペースで飲んだら多分飲み過ぎになるから、2杯目以降もできるだけ15分で1杯のペースで飲んだ。

そうして2杯目を飲み終えるころ、つまり、飲みはじめて30分ほどで最初の便通が来た。

そこからは同じようなペースでニフレックを飲みつつ、20~30分おきにトイレに行った。

6~7回くらいも排便していると、固形のものは出なくなり、薄黄色の液体だけになった。多分、これは胆汁の色なんだろうな。こういうのを水様便というらしい。

水様便になったら、流さないで看護師さんに見せるように言われていたから、看護師さんが通りかかるのをトイレの前で待っていた。誰かが入っちゃったら、困るからね。お互いに。

看護師さんが通りかかったので見てもらうと、きれいに出ていると言われた。ニフレックは1.5Lくらい飲んだところだったと思う。これで終わりかと思いきや、ニフレックの残量を見て、あとコップ1杯飲むよう言われた。

9時過ぎにニフレックを飲み始め、12時前には胃腸の中身を全部放出できたようだ。

ニフレックを飲んでいて不思議だったのが、水分を飲んでいるはずなのに、喉が渇くし、おしっこが出ないことだった。それだけ水分としては吸収されない溶液ということなんだろう。不思議。

腸内洗浄が完了したら、もちろん固形物は食べちゃダメだけど、水やお茶は飲んでいいとのことだったから、売店でお茶を買って喉の乾きを潤した。空腹は癒せないが、やむを得ない。

なお、午前中いっぱい暇なのはもったいないと思い、ノートや本を持ち込んでいた。診察室を貸してくれ、デスクが与えられたおかげで、めちゃくちゃ快適に作業ができた。研究が進んだ。

あと、14時ごろから検査を開始するので、それまでに売店で検査用のおむつを買うように言われていた。100円なり。

大腸内視鏡用おむつ

おむつと行ってもパンツのように履くものではなく、おむつ生地が長方形になったものだった。おそらくこれを体の下に敷いて検査をするということなんだろう。まあ、尻の穴から管を入れるわけだし、何やらが漏れ出ることもあるのだろう。

検査前に、最後の一踏ん張りをして、できるだけ出しておくことにした。

その後、14時からの検査に向けて、15分前くらいから点滴をはじめる。鎮静剤を点滴しているのだろう。胃腸の中をカラッポにしたわけだし、飲み薬はないよな。左腕を指定されたのは、検査中の体勢に関係するのだろうか。

病院としては午前の診察が終わり、午後の診察が始まる前の時間帯だったから、院内は閑散としていた。

点滴を付けたら、病院の中を検査室に向かって移動する。バックヤードから案内され、病院の中 (というか病室の間?)はこんなふうになってるのかとチラチラ見ながら移動した。

検査室に入ると、まずは検査用のパンツに履き替えるよう言われた。おしりに穴が空いたものだ。

パンツを履き替えたら検査台に乗るよう言われる。先のおむつが敷かれている上に横になると、検査の準備がはじまった。

大腸カメラをやるときは、心電図や血圧を確認しつつ、レントゲンも撮るらしい。そんな大掛かりなものだったのね。

心電図やらの取り付けが終わったら、左側を下にして横向きになる。左腕に点滴、右腕に血圧計、指先や胸元には心電図の端子がついたまま、いよいよ大腸カメラがはじまるらしい。

ここで医師が登場し、肛門あたりにジェルっぽいのを塗って、肛門のあたりを確認していた。指を突っ込まれると、うっ、となる。座薬を刺されるときもこんな感じだったなぁ、、、

そうして穴の状況を確認したら、カメラの挿入がはじまった。最初は何やら入ってくる感が辛い。

大腸内視鏡
大腸内視鏡検査のイメージ by いらすとや

ちょっとカメラが入ったところで、尻に注射された。なんか楽になる薬らしい。

そこからはどんどんカメラが入っていく。カメラが撮影している様子はモニタに表示されていて、見せてくれた。へぇ、大腸の中ってそんなふうになってるんだ、と。人体の構造については勉強しているけど、なかなかこうして現物を見ることはないから、辛いんだけどちょっと楽しい。胃カメラのときもそうだった。

まずはカメラを一番奥の盲腸まで通して、そこから帰りながら写真を撮っていくとのことだったんだが・・・カメラを奥まで通すというあたりがなかなか大変だった。

大腸の中は基本的にはくちゃくちゃにしぼんでいるらしく、それをガスで膨らませながら侵入していく。ガスでふくらませるのはいいんだけど、どうもふくらませる過程が痛いものらしい。お腹の調子が悪くてギュルギュルいって痛いときの感じが再現される。結構痛くて喚いていたら、点滴に新たな薬剤が投入された。

あとから聞いたんだけど、大腸というのはテキストに書かれているような形はしてなくて、あれはあくまでモデルなんだそうだ。

大腸のイメージ by いらすとや

肛門側から見ると、肛門から入ってすぐのところが直腸で、そこからS状結腸、下行結腸、横行結腸、上行結腸、盲腸と続いていく。盲腸あたりで小腸とつながっていて、そこから大腸がはじまる。

この内、S状結腸と横行結腸が曲者らしい。直腸と下行結腸、上行結腸は腹膜や骨盤腔だかに固定されているからまあこのイラスト通りなんだけど、S状結腸と横行結腸はどこにも固定されてなくて、下行結腸や上行結腸にぶら下がっている状態らしい。

だから、S状結腸のところがどのくらいS字になっているかは人によって違うし、横行結腸がモデル図のように真横にピンと張っているとも限らないそうだ。なにせブランと垂れ下がっているわけだから、割とフリーダムな形状を取るとのこと。

私の場合はS状結腸も苦労したみたいだけど、横行結腸が特に苦労したらしい。

経路が見つからないから、ガスを入れて大腸壁を広げようとするも、結構これが痛くてきつい。

ここでレントゲンを撮って大腸の形状を特定しようとしているようだった。私の横行結腸は割と垂れ下がっていたみたいで、こうなったらもはや物理的に大腸を動かしにかかられる。看護師により腹を押さえ、下から上にグイっと持ち上げられる。それなりに力強く持ち上げられて辛い。

そうやってなんとかかんとか横行結腸を突き進んだら、上行結腸から盲腸まではすぐだった。

盲腸あたりには虫垂という別の管が生えているのだけれど、私は数年前に虫垂炎を発症していて、虫垂は切除している。そのことを伝えると、虫垂があるあたりをよく見せてくれた。虫垂だけ取り去っている場合は、虫垂の入口あたりが残っていて確認できるそうなんだけど、私の場合は当時炎症が盲腸まで広がっていて、盲腸の一部も一緒に取り去ったと聞いており、おかげで虫垂の跡形もなかった。そういうこともあるらしい。

あとはカメラを引き抜きながら、大腸壁の様子を見つつ、ところどころで写真を撮っていく。ポリープなんて見つからず、きれいなものだった。

そんなわけで、便潜血はおそらく切れ痔だったのだろう、とのこと。そんな傷もすぐ修復されるそうで、出血のあともなかった。実は、試料を取る日がたまたまひどい便秘で、頑張って生み出したんだけど、その便もかなり硬かったのを覚えている。直前に食物繊維を取りすぎた可能性が高くて、そんな硬い便を無理やり出したのが便潜血につながったのかもしれない。

また、大腸に腫瘍ができるにしても、5~10年とかかけて育っていくものらしいから、しばらくは検査も必要ないそうだ。

ひとまず、何事もなくてよかった。

検査が終わったのが15時くらい。30分くらいで終わると言われてたけど、なかなか苦労して1時間くらいかかったようだ。検査中はとにかく耐えるだけだったから、終わってみればあっという間だったかな、という印象。生体を直接観察できるという貴重な機会だったので、苦しかったけど興味深いことばかりだった。

検査結果を説明してもらい、大丈夫そうとの旨を聞いて、検査完了だ。受付で精算したら6,000円弱くらいだった。やっぱりそれなりに検査費用のかかるものらしい。

ようやく検査が終わった。まずは何かを食べたいと思った。

奥さんに迎えに来てもらって、帰りにコンビニでサンドイッチとか買いつつ、家に帰った。約1日ぶりの固形物はうまかった。

検査中はまあ痛かったんだけど、終わってからもガス抜きがうまくできないのか、その日はそれからずっと違和感があった。なんか痛いような、何か詰まっているような、、、

大腸カメラは胃カメラより楽と言う人もいたけど、私はどっちもどっちだなぁ、という感じ。特に大腸カメラは胃腸をカラッポにするあたりがきついか。

ただ、やってみると思っていたほど大変じゃなかったから、たまにはこうして胃腸をきれいにするのもいいんじゃないかと思った。

胃腸を一度カラッポにしたからか、体重が1~2kgくらい減った。その後、数日しても戻らないところを見ると、何やら秘伝のタレのような感じで胃腸の中に堆積しているものでもあったのだろうか (宿便とか言われているやつ?)。医師も、普通はこういう検査でもなければ胃腸をカラッポにすることはないだろうとか言ってたし。

気分的にも何かスッキリした感じがする。

そんな感じで、人生初の大腸カメラは、辛いところもあったんだけど、色々と学ぶことのある体験になったのであった。