「戦国小町苦労譚」戦国時代にタイムスリップし、農業で成り上がっていく女子高生の話が面白い
「戦国小町苦労譚」が面白くて、このところ読みふけっている。
たまたまKindle Unlimitedで見かけて、どんなものかと思って読んでみたのだ。
2巻の半ばまで読んだところで、ざっと内容を紹介すると、
- 農業高校に通う歴史オタクな女子高生が
- 戦国時代にタイムスリップして
- 織田信長に見出され
- 革新的な農業施策で成り上がっていく
というものだ。
女子高生が戦国時代にタイムスリップ、あたりはある程度テンプレートぽいが、そこで農業を選んだあたりが面白い。
戦国時代に現代の農業技術や種子を持ち込んだら、収穫できるものは当時ではあり得ないほどの圧倒的な生産量になる。
なお、戦国時代に現代のような農機具はないから、その時代で作れそうなものを編み出して使っている。そんな設計ができる女子高生はそうそういないだろう。
また、ヒロインは歴史に関してもマニアックで、歴史上の人物や出来事を知識としてかなり持っていて、その時期だと武田はこういう状況で、織田はこうで、徳川はこうで、みたいなのを空で言える。
それこそ、槍1本見ただけで持ち主を当てるというエピソードもあった。マニアック過ぎる。
農業や歴史だけでなく、兵法もかなり詳しい。
乱世の覇者になりたい織田信長は、そんな知識を渇望していて、女性に人権なんか無いような時代なのにも関わらず、政に参加させようとする。
血なまぐさい戦国時代に、武勲を立てて成り上がっていくのではなく、革新的な農業を行うことで成り上がっていくというサクセスストーリーは聞いたことがない。
歴史を動かすような戦場の最前線にいるんじゃなくて、戦とは離れたのほほんとした農村で農業を革新しつつ、歴史を動かしていると言えばいいのだろうか。
ところどころえらく詳しい農業の話や歴史の話が出てくるし、作者もその手の知識がかなりマニアックなのだろう。
小気味好いテンポで話が進んでいき、どんどん読み進めたくなる。
Kindle Unlimitedで3巻まで読めるので、まずはそこまで楽しんで行こう。