ボールペンから万年筆に乗り換えてから、「万年筆ってそうだったのか!」と思うことがいくつかあって
万年筆を使いはじめてから、かれこれ半年近くになる。
この間、ずっとPILOTの「カクノ (透明、極細字)」を使っている。
これまではボールペンを使ってきたのだが、万年筆の書き心地が気に入って完全に乗り換えしてしまった。
そうして半年ほど使っているのだけれど、ところどころで微妙にボールペンとは使い勝手が違うことに気づく。
だいたいはボールペンと同じように使えているのだけれど、ところどころで「そういうところは違うのね!?」となるのだ。
万年筆の仕組みとかを踏まえ、後から考えればそういうことかと理由がわかることも多いんだけど、流石にそんなのは使ってみるまでわからないものである。
だからといってメインをボールペンに戻すことはないのだけれど、「そういうものなのね」と思ったことを書き出してみることにする。
修正テープの上にうまく書けない?
ボールペンのときは、書き間違えたら修正テープを該当箇所に貼り付けて、その上から書き直していた。
これが万年筆だとうまくやれなかった。
どうもインクが乗りにくい。そして、極細ペン先を使っているからか修正テープがすぐ破れる。
ボールペンでも修正テープが破れるのはよくあったんだけど、万年筆にしてから遥かに破れやすくなってしまった。
もはや修正テープを使ったほうが汚くなるので、誤字があっても修正テープを使うのをやめた。
間違ったところはグジグジと塗りつぶしておくことにした。
そういうものと割り切ってしまえば、修正テープを使わないことの気軽さが出てきて、これはこれでよくなった。
マーカーを引くとにじむ
万年筆で書いた文字の上にマーカーを引くと、文字がにじむ。
1日以上置いたあとでもにじむ。
これは使っているインクが水性インクだから仕方がないのだろう。
じゃあ、先にマーカーで書いて、その上に万年筆で・・・と思ったけど、これもにじむ。この順番の方がまだマシだけど。
とにかくマーカーと相性が悪いことがわかったから、万年筆で書いたものをマーカーで装飾するのはやめた。
気圧差であふれる?
実家 (海の近く)から自宅 (山の上)に帰ってきたら、カートリッジから液漏れが発生していた。
標高でいうと900mくらい違うから、これは気圧差にやられたのだろうか?
まあ、本当にこれが気圧差が原因で起こったのかはわからないけど、構造上、ボールペンよりよっぽど液漏れしやすいことは確かなのだろう。
おかげで手が真っ青になってしまったが、ペンケースは汚れてなくてよかったと思う。
インクが出すぎる
万年筆はインクが出すぎることがあるようだ。
紙の上に妙にべっとりとインクが付いてしまい、文字を書いても潰れてしまう。せっかくの極細字なペン先が、溢れ出るインクで潰れてしまっているのだ。
いくつかの理由があるみたいで、単純に出過ぎていることもあれば、極細ペン先が紙の繊維を削り取ってしまい、その繊維までインクが滲んだ状態になっていることもあるようだ。要は、ペン先についたゴミまで含めてペン先になっちゃって、インク過剰になるのである。
いずれの症状でも、基本的にはペン先を拭いてやるとよくなる。
この症状はすぐ直るからそんなに困ってないけど、書き出しでベトッとついちゃったらちょっとがっかりする。
インクが出ない、ペン先がすぐ乾く
インクが出ないのも困る。
ペン先が意外とすぐ乾くようで、キャップをしないで数分置いておいたらもうダメだ。書けなくなる。
夏場、扇風機の前で使っていたら、本当にすぐ使えなくなってしまった。
打合せの最中、メモを取ろうと万年筆を手に持っているけど、書くことが無い時間が続くときはすぐキャップをするようになった。
ペン先が乾いているだけなら、キャップをしてしばらく放っておけばすぐ直るし、インクの出が悪いときもしばらくしたら直るからそれほど困るものではない。
ただ、インクの乗っていない、カリッと書いた筆跡だけが紙面に残ってしまうのがちょっと悲しい。
インクが乾くまで時間がかかる
ボールペンに比べると、万年筆のインクは乾くまでに時間がかかるようだ。
もともと使っていたボールペンがJetStreamであり、速乾性に優れたペンだったから、ますますそう感じてしまうのかもしれない。
ノートの右下にページ番号を振るときとか、次々とページを捲りながら書くわけで、万年筆だとすぐ乾かないから一気に書くことができない。数ページ書いて、左手のそれぞれの指の間に紙を挟んで、お互いに引っ付かないようにして乾くのを待っている。
こういう作業をするときは、いっその事ボールペンでやった方が便利かもしれない。
手が汚れる、別のページが汚れる
インクが乾くまで時間がかかるから、結構、気をつけて使っている。
例えば、ノートに書いたら、しばらくその見開きのまま置いておくとか。文字を書いたら、その上にものをおいたり、手を滑らせたりしないとか。
そうやって気をつけて使ってはいるのだけれど、それでも手が汚れたり、別のページが汚れたりしている。
ずいぶん前に書いたものでも、ちょっと水が垂れたら滲んじゃったりして。
ボールペンを使っているときは、これほど手や紙が汚れることはなかったんだけど、万年筆にしてからは汚れることもあると思って使うようになった。
まあ、仕方がない。
おわりに
万年筆を使いはじめて、はや半年ほど。
ボールペンに比べると若干の癖を感じるところは多々ある。
多々あるんだけど、それでも万年筆の書き心地にはなんだか惹かれるものがあり、そういうものだと納得して使っているつもりだ。
万年筆は、こういった若干の不便を感じながらも、使っていて楽しいのである。
なんとも罪深い筆記具である。でも楽しいから許す。