「法人設立ワンストップサービス」を使って合同会社を設立。どういうサービスだったか。

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内閣府が運営している「法人設立ワンストップサービス」を使って法人登記をした。

法人設立ワンストップサービス

これがどういうサービスかというと、オンラインで法人設立をやってしまえるサービスだ。

名前のままである。

そう言われると、「法人とか簡単に作れちゃいそう!?」なんて思ってしまうかもしれないが、実際はそうでもないと私は思う。

要件1: すべての書類を自力で作れること

そもそもの話だが、法人を設立するには、関係機関が求める書類をそれぞれ作って提出していく必要がある。

法務局にはじまり、年金事務所、税務署、都道府県税事務所、市町村役場、場合によっては労働基準監督署やハローワークにも出す書類がある。

そういった書類を1箇所に集めてくれて、オンラインで申請できるようにしたのが「法人設立ワンストップサービス」だ。

つまり、別に「法人設立ワンストップサービス」を使うからといって、作らなくてよくなる書類なんてない。

これは結局のところ、これらすべての書類に何を書いたらいいかわかっている、という前提の上にこのサービスが成り立っているということだ。

それら書類に何を書いたらいいのかよくわからないから、司法書士さんや税理士さん、行政書士さん、社労士さんといった専門職がいるんじゃなかったっけ・・・?

実際に使ってみると、紙に書く内容がWebの入力フォームに変わっているだけだったりする。

中にはWebの入力フォームにすらなってなくて、紙に書いて印鑑を押したものをスキャンしてPDFデータにした上で、電子署名までつけて添付させられる文書もある。

電子化って、そういう方向だっけ・・・?

要件2: 何度も何度もくじけずにデータ入力できること

また、法人名とか住所とか、1回打てばよさそうなものが、書類ごとに何回も打ち込まされる。

これは裏側でそれぞれの機関のシステムにデータを投げているだけだから、そちらの仕様に合わせて必要な情報を入力させられるようになっているのではなかろうか。

突貫で作ったから、共通項目が何だとかもあんまり考えてないんじゃないか?と思う。

試しに必要そうな書類を全部入力してみようとしたところ、フォームが40ページ近くあって、最後までたどり着けなかった。まあ、途中で何を書いたらいいかよくわからないのが出てきたのでやめただけなのだが。

こんなに大量の情報入力をさせる (しかも、同じことを何回も打ち込む)システムはなかなかお目にかかれない。

私が思う「法人設立ワンストップサービス」うまい使い方

個人的には、「法人設立ワンストップサービス」というのはそういうものなので、申請したいものだけ個別に申請するのに使うのもいいと思う。

全部の書類を一回でやりきろうとするから大変なのだ。しかも、どこかでつまずいたら次に進めず、最後までフォローすることを考えると結構な期間がかかりそうだ。

私は法務局に法人登記するところだけを「法人設立ワンストップサービス」で申請した。

そして、法人設立できたら、税務署や県税務署、町役場への申請は税理士さんにお願いした。

年金事務所はその後で、e-Govを使って申請している。

これなら、法人登記するところは、法務局が作っている「登記ねっと」でやればよかったんじゃないかと思うけど (苦笑

そんな感じで、出したい書類だけ作って提出することもできるので、自分でやれるところだけやるのに使うのもいいんじゃないいかと思う。

おわりに

もはやこのサービス、個人的には、「家にいながらにして各機関に書類を出せること」以外のメリットがよくわからない。

そもそもの話として、関係機関がそれぞれうまいこと情報共有するとか、提出が必要な内容を精査するとか、記載内容をわかりやすく解説するとか、極論すると中学校を卒業した人なら誰でも書けるくらいの届け出にするとかいう改善が必要なんだと思う。

そういう根本的なところには手を入れず、「とりあえず、それぞれの機関が独自に作ったシステムにデータを投げ込めるようにしました!」という窓口を作っただけにしか見えない。

まあ、それでもかなりの進歩なんだと思うのだけれど。

いい感じには進んできていると思うので、今一歩踏み込んで、更に使い勝手のよいシステムになったらいいと思う。

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